(写真左上から)
五反田のイマジカ本社ビル。
お茶目アニメーター3人衆。上映を前に、ドキドキで〜す!
上映会場にて。試写はもう間近です。
試写を終えて、談笑する人々と監督。
(写真下段)
映画のワンシーン

5月9日(月) 晴れ

映画『死者の書』が、ついに完成しました!

『死者の書』の初号試写が、五反田イマジカにて行われました。初号試写とは、35mmのフィルムの音声と画面を合わせて現像してその仕上がりをチェックするための試写会です。ここで、色や明度などに問題があれば、補正して完璧な原板としていきます。この前の0号試写で、かなりの補正をしたので、初号試写ではほぼ満足の行く画面になっているはずです。会場にはスタッフと関係者が集まり、映画を鑑賞。監督もこれでいけるという確認をしました。

さあ、これからいよいよ、ひとこまサポーターや一般の方を対象とした上映会が始動します。これまで、完成に向けて時間のほとんどを費やしていたので、完成上映会の確定はまだできていないのですが、一日も早くお知らせすべくがんばっています。今しばらくお待ち下さい。『死者の書』をひとりでも多くの方のお目にかけたいと、監督以下スタッフ一同、願っております。

 



NO.017


  (写真左から)
ロビーで上映を待つスタッフと関係者の方々。
イマジカ第1試写室。
緊張の瞬間です!
上映後、川本監督の口には笑みが――。


4月25日(月) 曇り

『死者の書』の0号試写が行われました!
0号試写とは、映画の編集が終わり、音楽もついた状態の初めてのフィルム試写であり、スタッフがその仕上がりをチェックするものです。
この日は、川本監督と、一部のスタッフが五反田イマジカの第1試写室に集まり、試写が行われました。上映前のロビーでは、一同、緊張の面持ちです。

さあ、試写終了。――川本監督の唇には笑みが!
この後、最終の調整をして、いよいよ初号試写が開かれます。ここで、最終完成版のフィルムが初めてかけられるのです。きっと、スタッフや関係者が一堂に会しての、華やかなものとなるでしょう。

みなさん、報告をお楽しみに!!

NO.016


  (写真左から)
イマジカ編集室での作業風景。
カットの差し替えについて指示をする川本監督。
編集スタッフの鈴木真一さん(左)と伊藤伸行さん(右)。
今日の編集画面。モニターの郎女、分かりますか?


3月某日 晴れ

五反田のイマジカ本社ビルにて、今日は朝から編集作業です。
編集の醍醐味は、バラバラだった映画のひとこまひとこまが、ひとつのストーリーに仕上がっていく面白さにあります。そのつなぎ方によって、モニター上に思いもかけなかった効果が生まれることもあるのです。今まさに「生みの苦しみ」の渦中にある川本監督。
――悩みながらも、どこか楽しげな表情を浮かべてモニターを見つめる毎日です。



NO.015


  (写真左から)
ホール内撮影風景。
左から、ヴァイオリン、ハープ、チェロ。
琴。弦は17本あります。
打ち合わせをする川本監督(左)と廣瀬量平さん(右)。


3月9日 曇り

今日は、くにたち市民芸術小ホールでの音入れです。
録音される楽曲は全て、作曲家の廣瀬量平さんによる『死者の書』のためのオリジナル曲です。

廣瀬さんご自身の指揮の下、チェロ、ヴァイオリン、フルート、ハープ、琴、太鼓などの打楽器によって演奏される曲はとても詩的で幻想的。音だけで、何かの物語を予感させます。今日の演奏が加わり、映画『死者の書』の世界はより深みを増したことでしょう。
なお、廣瀬量平さんは、岡本忠成監督の遺作であり川本監督が監修をした映画『注文の多い料理店』の音楽も担当された方です。


NO.014


 
2月4日(土) 晴れ

さよなら多摩美スタジオB

撮影開始から10ヶ月、様々な郎女の表情や仕草を創り出してきた及川功一さん。及川さんが郎女のアニメートをするのも今日が最後です。明日には、自宅のある長野へ戻ってしまいます。居残るスタッフの名残は尽きません――。終了日の一歩前ですが、郎女と及川さんをねぎらって、そしてクランクアップの無事を願って、急きょ打ち上げが企画されました!宴会部長(?)の伊丹さんがひっぱり、森さんが盛り上げ、川本監督が語り、打ち上げは大盛況♪♪ しゃべり、歌い、時にちょっぴり涙あり・・・忘れられない夕べとなりました。



NO.013


  (写真左から)
おタマに落花生をあげる川本監督。おタマの大好物!
おタマにさきいかをあげる福間順子プロデューサー。
ごちそう・・・
・・・さまでした!!


2月3日(金) 晴れ さよなら多摩美スタジオ 〜番外編〜
(多摩美ねこにっき)

わたしは、多摩美スタジオに遊びにくる多摩美ねこのおタマです。

ここのみんなはとても優しくて、いつも、ミルクや、さきいかをくれたり、あたまを、なでてくれたりするの。いちばんのこうぶつは「かんとく」がくれる「らっかせい」!
今日は、せつぶんという日らしくて、みんな「まめ」というのをぽりぽり食べてるわ。
もちろん、わたしにもおすそわけ!!
かりっ・・・ふむふむ、なんかかわった味だにゃあ〜。
これを食べると福が来る?――福ならまかせて!だってわたしはスタジオの招福猫だもの!?

NO.014


  (写真左から)
里娘を動かす奥津広美さん。「とにかく、叫ぶ里娘の気持をうまく表現したいです!」
里娘の人形。とても愛らしく、表情のある娘さんです。
郎女の髪飾りを付け替える川本監督。
ある日の郎女。桃色の衣装が目にも鮮やか!!


2月3日(木) 晴れ

さよなら多摩美スタジオ そのA

今日は、當麻の里娘が郎女の侍女のもとへ訪ねるシーンの撮影が始まります。嵐の中を駆け付けてきた里娘、応じる侍女、強風にはためく几帳をアニメートする奥津さんの傍らでは、川本監督が郎女の髪の花飾りを付け替えています。
それにしても郎女――藤原南家のお姫様、本当におしゃれで衣装持ち!春夏秋冬、色とりどりの美しい衣装や髪飾りを、身につけています。
どんな布地、色の重ね?――それは映画を見てのお楽しみ!

さて、本日は節分です。皆で招福豆と、最近はやりの恵方巻きをいただきました。
『死者の書』が無事完成しますように・・・「ふくはぁ〜〜〜うち!」



NO.012


  @ファインダーを覗く田村実さん(手前)とカメラ・照明の山屋恵司さん(奥)。
Aセッティングされた郎女と身狭乳母。
Bカメラのセッティングをする伊丹邦彦さん。
C大仏殿の撮影風景。アニメーターは森まさあきさん・井上二美さん・稲積君将さんの3人です。
D多聞天と、それを見上げる庶民のアニメート。
E大仏を見物する人々のアニメート。


2月1日(水) 曇り

さよなら多摩美スタジオ その@

目前に迫ったスタジオの撤収に向けて、スタジオはここ数日、ガヤガヤと落ち着きません。
しかし・・・今日も今日とて一コマ撮影!人形アニメートは続行中です。
今日は、蓮糸を眺める郎女と身狭乳母、東大寺大仏殿を見物する群衆のアニメーションの撮影です。2班の撮影セットを、カメラマンの田村実さん・伊丹邦彦さんら撮影部のスタッフが、丁寧に、納得いくまでセッティングをします。・・・そして造られたセットの中で、郎女はおっとりとたおやかに、群衆はワイワイといかにも楽しげに、アニメートされました。



NO.011



1/19UpDate
(写真左から)
 大きな本型バースデイ・ケーキ。監督自らカットしました。
 スタッフ一同、「カンパ〜イ♪」
 寄せ書きを手に、満面の笑みの監督。
 集合写真。バックには、「川本喜八十郎先生 おめでとう」の文字が…。

1月11日 晴れ
今日は、川本監督の80歳のお誕生日です。
メディアセンターの4階では、監督には内緒でパーティの準備が進められています。
午後5時。「打ち合わせです」とプロデューサーに連れてこられた少し渋面の監督を・・・「おめでとうございま〜す!!!」スタッフが大きな拍手で迎えます。最初はきょとんとしていた監督も、80本のバラの花束や記念のアルバムなどを手渡される頃には、もう満面の笑み!「80」をかたどった特製のメガネや、首からさげたレイも、とてもよく似合っています。
80歳でいよいよお元気な川本監督。皆で、そのパワーを分けてもらったような、とても楽しいひとときでした。

監督、改めてお誕生日おめでとうございます!!

NO.010



1/13 UpDate
(写真上段左から)
 スタジオの入り口にかけられた正月のお飾り。
 几帳を開ける乳母。アニメーターは稲積君将さんです。
 弓を持つ乳母と、4人の侍女。
 乳母と侍女たちを動かすアニメーターの森まさあきさん。
(写真下段左から)
 踊る郎女。
 郎女を動かすアニメーターの及川功一さん。


1月5日 晴れ
新春。
今日は、2005年『死者の書』撮影の仕事初めです。
多摩美スタジオの扉や柱にも、正月のお飾りがかけられています。
さて、久々に顔をあわせたスタッフと人形たち。正月気分もそこそこに、3班に分かれての撮影準備です。今日から「郎女の部屋の几帳を開ける乳母」「鳴弦(つるうち)の弓を持つ乳母と4人の侍女」そして「甃(いしだたみ)の道を踊りながら歩く郎女」の、3シーンの撮影が始まります。クランクアップは、もう間近!気合いを入れ直して、本年も撮影スタートです!!
NO.009



12/21 UpDate

12月某日 晴れ
今日は、若手アニメーターの井上二美さんが郎女の侍女を動かします。 織りあげた布を前に考え込む郎女を見て、二人の侍女が顔を見合わせる…というシーンです。

井上
「(師匠であるアニメーターの及川さんに)人形を無理にねじふせるようにして動かすのではなく、手を添えてあげる…という気持ちで動かすといい、とアドバイスを受けました。その言葉などを思い出しつつ、今回は人形の動きのラインばかり追うのを極力抑えて、その前にまず「このシーンで人形は何を考えているのか」などのイメージを持って、アニメートしました。」

2年間イギリスへ留学して人形アニメーションの勉強をしてきた井上さんは、自ら志願して『死者の書』の撮影にも加わりました。いつもは「ダイナマイト・トーク」と呼ばれるほど、お喋り好きで、元気なスタッフです。しかし人形を動かす時にはいつでも手が震えるほど緊張し、その手先に細心の気配りをするとのこと。ふたりの侍女がちらり、と目線を交わすアニメーション。そのタイミングやわずかな仕草の違いで、ふたりのキャラクターが表されている、とても面白いカットが撮れました!
NO.008


  左 郎女の人形について監督から説明を受けるノルシュテイン氏。
中央 学生食堂でスタッフ・関係者らと食事をとるノルシュテイン氏。右は通訳の児島宏子氏。
右 廊下で作品集にサインをするノルシュテイン氏。


12月8日(水) 晴れ
今日は、ロシアのアニメーション作家ユーリ・ノルシュテイン氏が、スタジオまで見学に来て下さいました。『話の話』(’79)や『霧の中のハリネズミ』(’75)等で世界的に知られるノルシュテイン氏は、川本監督の友人であり、川本喜八郎監督作品・連句アニメーション『冬の日』にも参加されています。
午前10時にスタジオにやって来たノルシュテイン氏は、スタジオの廊下で川本監督と再会の抱擁を交わし、すぐに撮影の見学へ。中庭で蓮の茎を並べる侍女のアニメートや、蓮糸から織り上げた布を縫う郎女の撮影などを見学した後、川本監督、通訳の児島宏子氏と共に今まで撮影したフィルムの短縮版をご覧になりました。感想は「素晴らしい!!」

ノルシュテイン氏はとても気さくでユーモアがあり、――そしてまたとても厳格な、彼の作品そのもののように深く、魅力のある方でした。『死者の書』スタッフの中にも彼の作品のファンは多くいます。忘れられない、12月のいちにちとなりました。

NO.007


 
11月某日 晴れ
今日は、恵美押勝邸の廊下を采女が歩くシーンの撮影です。
人形を動かすのは若手アニメーターの奥津広美さんと稲積君将さん。
華やかな衣装、独特の化粧、とても存在感のある采女の人形たち――さてさて、ふたりのアニメーター、このシーンのどんなところで苦労したのでしょう……?

奥津「領巾(ひれ――ショールのように肩に羽織った布)の縁にはワイヤーが入っていて、 
   実は堅いものなのですが、それを軽くて柔らかい布に見えるよう動かすのが大変で
   した。それから、その領巾は上から何本かのタングステンという糸で吊っているの
   ですが、それが0.02mmという髪の毛よりも細い糸なので自分たちの目にも見えず、
   その長さを変えながらアニメートするのに苦労しました。」

稲積「前回動かした乳母の人形と、衣装の素材が違っていて、今回の布はちょっと触った
   だけですぐに形が変わってしまう素材だったので、それを動かすのが難儀でした。」

NO.006


photo.2
小道具の斉藤堅さん(左)
アニメーターの及川功一さん(右)
 
10月某日 曇り
今日の撮影は、蓮の糸から機で布を織る郎女のシーンです。
郎女の人形のサイズに併せて造られた機は、小道具の斉藤堅さんの手に依ります。
女房部屋の台所用具や郎女の文机など、斉藤さんの造る小道具はどれも繊細で見事なものですが、この機を造るのにはとりわけ苦労したとのこと。――なんとこの小さな機、実際に布を織ることが出来るのです!そして、この機を操る郎女の動きもまた、非常に難しいアニメート。しかし及川さんの手により、細やかに、流れるように、郎女は機を織り進めることが出来ました。
NO.005


 
8月某日 晴れ
今日の撮影は、平城京の都大路を馬で往く大伴家持と、行き交う都の人々というシーン。
シーンの中心である家持、馬、従者のアニメーションの他、大路を走る子供や物売り、僧侶などの人形を、総勢5名のアニメーターが動かします。押し合いへし合い、舞台の上にも飛び乗ってペンチやらピンセットやらを扱う様は、まるで工事現場!!
この日は映画の制作過程を追うドキュメンタリーの撮影隊も入り、スタジオは人と活気と人形で、溢れかえっていました。
その甲斐あって・・・家持も都の庶民たちも、大路を活き活きと動いてくれました!
NO.004



photo.1/アニメーターの森まさあきさん

photo.2/アニメーターの中島史朗さん
 
8月某日 曇り
アニメーターの森まさあきさんと中島史朗さんが撮影班に加わりました。
ふたりがアニメートするのは、郎女の魂を呼び戻す「魂乞」の儀式をする九人の長老です。
長老達は頭に巻いた鬘をほどき白い布とし、「こう こう こう」と声をあげながら、大津皇子が眠る塚に向かって振りかざします。森さんと中島さんの動かす布はまるで生き物のようにはためきますが、実はこのアニメート、とても難しいのです。
布の中にはワイヤーが入っており、これを、ひとこま ひとこま 少しずつ動かしていくという気の遠くなるような作業が、何時間と続けられました。
出来上がった映像は?  ・・・素晴らしいものでした!!
NO.003


 
7月某日 晴れ
アニメーション作家・映画監督の高畑勲さん、アニメーション作家・多摩美術大学助教授の
片山雅博さん、写真家・多摩美術大学助教授の港千尋さんがスタジオを訪問されました。
記念に、パチリ!
片山先生が、おみやげに美味しいパンを持ってきて下さいました。 パンは切り分けられ・・・
あとかたもなくなりました!!
NO.002
 
6月某日 曇り
今日は、郎女が写経をしているシーンの撮影です。
季節は春。しとみ戸の外には、白梅が咲いています。
その奥に、背景画を描き足している美術の人の頭が見えるの、分かります?
郎女を動かすのはベテランアニメーターの及川功一さん。
及川さんがアニメートする郎女の立ち居振るまいは、とても上品で洗練されており、
思わずうっとりと見入ってしまいます。
NO.001